山梨县立曙医疗福祉中心
ふれあいのある自然を感じる集落の形成
集落をイメージした施設構成
入居者が自分の家として親しみを感じられるようにするため、屋根が連なる集落をイメージした施設形態をとり、人の暮らしの形をわかりやすく表現しました。
一人ひとりのプライバシーの保持
プライバシーを確保できるよう居室の個室化を図り、一日の生活サイクルに合わせ、就寝、食事、活動の各スペースを分離しました。
居住環境の向上
トップライトや光庭を設け、自然採光、自然通風を取り入れた明るく気持ちの良い空間とすると共に、ソーラーシステム等により、省エネルギー化を図っています。
木のぬくもりのある内装計画
施設の随所に木の温かみのある意匠を行うことで、医療施設にありがちな冷たい雰囲気とならないように配慮しました。また、重度の身体障害をもつ入居者は寝たきりとなるので、天井の表情を豊かにすることをテーマに木の構造体を現した傾斜天井としました。
トップライトが降り注ぐ集いの場
子供たちの集う空間はトップライトを設け、日中は照明がいらないくらい明るく光の降り注ぐ空間としました。食堂を囲むように入居室を配置することで、入居者同士のコミュニケーションが密になることを期待しています。
設計者からの一言
外装に使ったタイルは、還元焼成という方法で色を出しています。主に焼物に使う手法で、どんな色になるか釜を開けるまでわからないので今はあまり行われていません。なんでも思い通りになるわけではないということが、逆に障害をもった子供達の在りように近いと考えて採用しました。
自然発色の美しさというものを感じていただければと思います。
現地に生えていた赤松を資材として再生
現地に生えていた赤松を、エントランスホールの木の手すりと机に再生しました。赤松林をイメージした空間となっています。
また、交流の庭のベンチとしても現地の赤松を利用しています。
摄影师:クドウフォト