东京工业大学附属图书馆
公共図書館の実績を活かした大学図書館計画
開放型の大学図書館
東京工業大学の附属図書館は、世界各国の理工系論文雑誌の収集・閲覧という特徴的な機能を持っています。新図書館は、利用者が開架書架1万棚、電動集密開架書架1万8千棚の64.5万冊に及ぶ蔵書全てを自由に閲覧できる計画とし、24時間開館が実現可能なセキュリティ計画を行うことで近隣の人々や学外の技術者の利用もできる開放型の大学図書館としました。
滞在型の大学図書館
大学図書館は、公共図書館以上に長時間の滞在を想定する必要があります。新図書館では、地上に開かれた部分と地下に埋まった部分を持つという建築的な特徴を活かし、それぞれの閲覧スペースにおいて快適な学習環境を計画しました。
持続可能な大学図書館
大学図書館は図書を集積・提供し、人々がその空間を活用して新たな知を生み出す「知を創造するための情報や人に出会う場所」だと考えます。多様なニーズを持った利用者が集い、出会える環境をつくり出すことで、今後のさまざまな変化に対応できる持続可能な新しい図書館計画が示せたのではないかと考えています。
キャンパスの動線の結節点に建つ図書館
敷地は大岡山駅を利用する学生・教職員すべての人たちが通行する最も利便性の高い場所です。この場所の広いオープンスペースを活かすために、ほとんどの閲覧室・書庫エリアを地下2層に埋めた「地下図書館」とし、学習スペースを2層分の「ガラスハウス」として空中に浮かせることで、正門からのアイストップとなる計画としました。
地下の快適なワンルーム空間「図書館閲覧室」
吹き抜けによる大空間やトップライトなどの自然光を取り入れる工夫や波型のPC天井や白色レンガによる内装などにより、地下においても快適な学習環境を実現しました。また、床吹出による居住域空調やドライエリアに面したカーテンウォールへの自然換気口の組み込み、学習席のLEDタスク照明など、全体性と個別性を包含した図書館特有の環境計画としました。
キャンパスの風景を楽しめる書斎空間「ガラスハウス」
地上のガラスハウスの学習室は眺望を活かし、カーテンウォールに沿って座席を配置しました。カーテンウォールは室内の影の出方も検討した方立一体型ルーバーとセラミックプリントを施したLow-Eガラスにより日射負荷低減を図り、さらに自然換気口を無目に組み込むことで、開放感のある快適な学習環境を実現しました。
設計者からの一言
本計画は、東京工業大学施設運営部の統括・監理のもと、同大学安田幸一研究室との共同設計により進められました。また、構造設計においても竹内徹研究室との共同設計を行いました。本プロジェクトの大きな特徴は、多くの教員、学生、図書館職員のみなさんや外部のプロフェッショナルたちとの共同作業により実現されたことです。
この新図書館が、大岡山の街とのつながり、キャンパスの「知の核」として東京工業大学の発展に貢献することを期待しています。
摄影师:近代建築社