Kiakyushu Innovation Gallery & Studio
北九州の新しいイノベーションを未来に創出するギャラリー
過去・現在・未来:北九州産業技術へのミーティングポイント
官営八幡製鐵所設立時からある東田第一高炉と、平行でなおかつ近くに配置することで、来館者が産業都市・北九州の歴史性に身を置きながら、未来を構想することができる場となっています。
Building Data
- Official site
- WEB
- Usage
- Museum
- Construction
- S
- Scale
- 2F
- Total Floor Area
- 3,196m2
- Year of Completion
- 12/2006
Award
- 2008
- Architecture Kyushu Prize (Best Work Prize) General Architecture Category
柔軟なプログラムの広がりを生み出す見通しのよい機能配置
壁と屋根が一体化した特徴的な曲線屋根のなかに展示室やプレゼンテーションスタジオ、ライブラリーなどの場所が、ガラスで囲われた中庭や廊下を介して、特別な関係性を持たずに配置されています。また、建物に入るとエントランスからすべてのパブリックな空間が見え、KIGSで行われている活動を感じることができます。
機能を包み込む曲線屋根
KIGSの外皮の曲面は、H鋼の鉄骨の斜格子で組まれた構造体と三角形のガラスとアルミパネルの組み合わせの外皮によってひとつのシステムから構成され、建物をひとつの塊として見せています。その施設形態は東田第一高炉と対峙した構成です。
ユニット化と職人技術による格子鉄骨架構
チューブ状の形態はH鋼の斜格子による架構から成ります。8m×2mの1ユニットを工場製作し、水平、垂直部分が殆どない難易度の高い現場溶接にて建込みを行いました。この鉄骨建て方の基本である溶接精度は熟練した職人による手により初めて可能となりました。
行灯としてのライトアップ
夜はこの地区のシンボルである東田第一高炉を照らす行灯として見えることで、高炉と施設の関係性をアピールしました。また施設自体が発光してみえることでイノベーションをシンボライズします。
フラッシュサーフェイスな外壁
屋根~外壁はアルミパネル~カーテンウォールと連続する表情を見せます。屋根部分のアルミパネルは外断熱屋根工法に新たなスキンを設けたハイブリッド化粧屋根工法として省エネにも寄与します。
設計者からの一言
この施設は総合設計監修をStudioNODEで行い、実施設計を佐藤総合計画で行ったコラボレーションによる建築です。建築意匠、技術、インテリア、展示計画、音響、外構、照明と様々な分野のエキスパートの個性がこの空間に広がっています。
利用者からの一言
KIGSはギャラリーのほか、独自に調査・製作した「企業の産業技術」、「技術革新の事例集」、「産業遺産情報」、「産業技術年表」などのデータベースを公開しています。また隣接する工房では木工から金属加工、溶接、3Dモデリングが可能で、実験的な制作やモノ作り体験といった人材育成プログラムを実施しています。
Photo:読売広告社、MAX KENZO(株)、川岸工業(株)