City of Kita Library
公園のなかの赤レンガ図書館
図書館らしさの表現
最近の図書館は、再開発ビルインタイプや多機能複合施設が増えてきています。その中で北区は単独館として計画が行われました。私たちは「明るく開かれた」「親しみやすい」「資料を永く守る」図書館を目指して設計を行いました。
周辺環境と調和する表現
敷地が住宅地の中にあるためプライバシーに配慮した外観を計画し、敷地高低差を活用することで、建物ボリュームを抑えています。また中央公園拡張地の一角にあることから「公園との一体感」も大切に考えています。
レンガ倉庫と共存する表現
敷地には東京砲兵工廠銃包製造所の建物として使用されていたレンガ倉庫が現存していました。北区の近代史・郷土史においても貴重な文化財であるこのレンガ倉庫を保存活用して個性的な図書館にするという取り組みを行いました。
Building Data
- Official site
- WEB
- Usage
- Library
- Construction
- RC
- Scale
- 3F
- Total Floor Area
- 6,165m2
- Year of Completion
- 1/2008
- Note
- Books: 210,000
Award
- 2011
- Japan Library Association Architecture Award
- 2011
- JFMA Award
- 2009
- Good Design Award Social Sphere-Public & Education Facilities
レンガ倉庫を活用した個性的な図書館
レンガ倉庫の壁やトラス、ラチス柱などを残すことで図書館に個性豊かな空間を生み出しています。イベントスペースにはレンガ倉庫の外壁が現れるため、上部にトップライトを設け、半外部空間となるよう計画しています。
ワンフロアで見通しのよい一般開架室
利用者の利便性に配慮し、一般開架室書架を1階に配置して敷地いっぱいに面積を確保することで、ワンフロア(約3000m2)にまとめました。また書架の高さを抑えることで、見通しのよい図書館となるよう計画しています。
外部環境を取り入れた明るく気持ちのよい図書館
北区立中央図書館には至る所に中庭、テラス、トップライトがあり、光や風を積極的に取り入れています。また、そこに面して閲覧席を数多く設け、居心地のよい図書館となっています。
設計者からの一言
開館日に図書館に訪れたとき、大勢の区民の方々が列をなしてオープンを待っているのを見て、大変うれしく思いました。隣接する公園とともに地域のコミュニティの核として、今後も利用者でにぎわう図書館であってほしいです。
運営者からのひとこと
「赤レンガ図書館」の愛称で親しまれレンガ造りが注目されていますが、打ち放しのコンクリートや壁面にガラスを多用したことにより、古いレンガ建物と新しい建物が美しく調和し周辺の景観と一体となって区民に親しまれています。
北区立中央図書館館長 唐沢 啓子
Photo:井上 光伸(有限会社アートテック), ほか