Suginami City Amanuma Elementary School
子どもたちの「ふしぎ」を育てる学校づくり
回遊性と視覚的なつながりのある空間づくり
子どもたちの好奇心や創造性を「育てはぐくむ」場として、内部空間はもちろん外部空間にも回遊性を持たせ、学校全体に視覚的なつながりが感じられる空間として計画しました。
見えるエコスクールの取組み
子どもたちにも理解できるエコスクールづくりを目指し、光・風・緑を取り入れるそれぞれの仕組みを分かりやすく「見える化」し、内部空間にちりばめました。
分かりやすい色彩計画
校舎やアリーナなど、それぞれにテーマカラーを設定し、子どもたちの居場所として、分かりやすい色彩計画としています。また、エコスクールのシステムについても、イメージされるアクセントカラーで表現しました。
連続した内部・外部空間
教室と連続したオープンスペースは、子どもたちの居場所としてだけではなく、多様な学習形態にも対応できる空間です。また、普通教室や特別教室を「風のテラス」や「センターコート」、デッキバルコニーでつなぎ、空間的にも視覚的にも連続する計画としました。
自然の力を利用する
外断熱やペアガラスによる外部からの熱負荷の低減、地熱を利用した「クールヒートトレンチ」、そして「風の塔」、「光と風の塔」などにより、できるだけ空調に頼らない工夫を行いました。そのほか、雨水利用や太陽光発電、風力発電などエコスクールの取り組みを子どもたちにも分かりやすいよう「見える化」しました。
色彩計画による分かりやすさの実現
「見える化」したエコスクールの取り組みをさらに分かりやすくするため、光・風・緑それぞれの仕組みに対応したイメージカラーで表現しました。そのほか、学校生活の中心となる普通教室には各階ごとにテーマカラーを設定するなど、分かりやすい色彩計画にしました。
設計者からの一言
子供の目線に立って、さまざまな「ふしぎ」が各所にちりばめられた学校となるよう心がけました。同時に、良好な学習環境の確保と環境負荷の低減の両立を目指し、「エコスクール」の実現に取り組みました。
利用者からの一言
新校舎の使い勝手はすこぶる良好。遮音性(独立性)と外断熱に優れた申し分のない学習環境です。学校の特色である読書活動や伝統・文化理解教育のために設えた風のテラス・センターコートなどの創造的空間は、音楽会やお祭りの開催など地域ニーズにも応える町の文化拠点としても評判です。
杉並区立天沼小学校 中島 豊 校長
Photo:鈴木写真事務所, 近代建築社