Nakatsu Municipal Hospital
高機能で環境に配慮した病院
高機能中核病院の実現
大分県北部を中心とした中核医療施設の建替え計画です。救急医療と小児医療の拠点であり、災害拠点病院、がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センターなど、さまざまな地域の医療ニーズを担っています。こうしたニーズに対応した地域完結型の病院としての役割を重視し、同規模の病院と比較して、高度な医療機能を備えた計画となっています。
明るい病院
病院の各所に光庭を設けて、見通しがよく、患者さんとスタッフにとって明るく快適な療養環境を実現しました。インテリアも、内装と植栽とサインが調和した明るく清潔感のある計画としました。
環境に配慮した病院
環境配慮型設備として、LED照明の積極的採用、太陽光発電装置、太陽熱給湯設備、風力・太陽光発電併用ハイブリッド街灯、井水の雑用水利用を計画しました。建築外部においては、病室へ日差しの制御とメンテナンスを考慮した大きな庇と縦ルーバーを設置し、建物への熱負荷を低減しています。
ワンフロアのコンパクトな外来
外来診療は上下移動がない1フロアで構成し、総合ロビーと光庭から病棟EVロビーに至るホスピタルストリートに面して外来や放射線部などの主な診療部の受付を配置して、患者さんが分かりやすく移動負担の少ない計画としました。また、ストリートの両端に光庭を設けることによって、採光だけでなく、総合ロビーからの見通しがよくなり、施設内の位置関係を視認しやすい計画となっています。
動線の短い病棟
病棟は1フロア2看護単位で構成し、1看護単位は概ね44床です。スタッフステーションを看護単位のほぼ中央に配置し、病室までの距離の短縮と看護業務の向上を図りました。また、重症個室群と回復室は、スタッフステーションに近い北側に配置し、対応しやすい計画としています。
病室
4床室は水廻りを除いて1床当り8㎡を確保してベッド回りを広くとり、家族スペースと急性期病院として使いやすい処置スペースを確保しました。
設計者からの一言
吹き抜けなどの大空間はつくらず光庭を活かしたアメニティの感じられるヒューマンスペースづくりを目標としました。また、災害拠点病院として構造は免震構造を採用し、地震時に器物が転倒したり、窓ガラスが破損するようなことがなく、二次災害を防ぐ計画としています。
Photo:エスエス東京, 近代建築社