Medical Corporation Jinikai Aichi Rehabilitation Hospital
回復の丘
3つの階が立体的に連続する回復のための丘
1階を外来・リハビリ・厨房・管理部門、2階を60床の病棟、3階を研修室・託児所・屋上庭園として計画、各フロアに回遊性動線を持たせると同時に、3カ所の階段により治療・回復のための連続した立体的な丘としてデザインしました。
回復をイメージさせる「スパイラル」と「回遊」空間を融合させた計画
1階ホスピタルストリートと外構、2階縁側テラスと病棟、3階屋上庭園の「3つの回遊路」による螺旋状(スパイラル)の回遊空間を設定し、病院全体が回復のためのリハビリの場となることを狙いました。
オレンジとロイヤルブルーを病院のテーマカラーに採用
1階リハビリ室の壁面はオレンジの「丘」のグラフィックがあるガラス壁として「オープンリハ」のにぎわいの空間を表現しました。2階病棟はユニットごとに「にこやか オレンジ」と「さわやか ロイヤルブルー」にテーマカラーを分けました。
ホスピタルストリートと外構(1階回遊路)
正面玄関~ホスピタルストリート~南側テラス~緑の小径(西側外構)の回遊路を計画しました。外来は主出入口から受付、診察、処置、検査、会計、お薬の患者動線を一筆描きの分かりやすいルートにまとめました。
縁側テラスと病棟(2階回遊路)
スタッフステーションを囲んだロの字型~南側4床室の窓先を障子で仕切られた縁側の回遊路としました。 病棟はみんなで一時を暮らす住まいのイメージが持てるよう、腰壁や家具など木で包まれた雰囲気を重視しています。
屋上庭園(3階回遊路)
ウッドデッキテラス~屋上庭園を囲む回遊路は研修室、託児所に南面しています。屋上庭園は、眺める庭だけでなく、屋外リハや園芸療法の菜園となっており、収穫された野菜は病院食として提供されています。
設計者からの一言
1階外周は「丘」を支える基壇として、地層をイメージしたタイル貼りとしました。
また、正面入口には大きな庇を設け、雨天時にも車いすの乗降がゆったりできるよう配慮したほか、段差のないバリアフリーな玄関としました。
利用者からの一言
3階の屋上庭園は、患者の方だけではなく、地域の方々も参加できるイベント会場としても使用されています。
その結果、治療から日常生活への人にやさしい架け橋として、県主催の「人にやさしい街づくり賞」を受賞しました。
Photo:伸和