Koto Daigo Ojima Elementary School

立体の森―都市部における新しい学校のかたち

東京・江東区の住宅地に位置する小学校の計画です。敷地は、東側が大通りに面し、それ以外は住宅地というものでした。こうした限られた敷地の中で、交通騒音対策や近隣環境への配慮と同時に、児童の学習生活環境の整備を両立されることが課題でした。
ロの字型校舎の中庭部分に「葉っぱテラス」と呼ばれるテラスが重なり合い、立体の森のような空間を生み出しています。

外観は、角地に面した沿道型の都市型建築として正方形の窓や緩やかな曲線、屋上の赤い時計台など、「わが街の学校」となる独自性のある表情をもたせました。配置計画を検討する際には児童や住民らによるワークショップを行い、設計プロセスの共有化を進めました。その結果、校舎を広がりのある東側道路際に寄せ、日影や圧迫感などの周辺への影響に配慮すると共に、グラウンドを最大限確保できる配置を選択しました。

「立体の森」を身近に感じ、校舎としての豊かさにつながるよう配慮しました。木の葉をイメージした「葉っぱテラス」が自然光をやさしく校舎内に取り込みます。各階のテラスは図書室やランチルームと接続する安全な屋外環境として児童の活動の場を広げます。さらに、太陽光発電や自然通風などの仕組みが学べるように環境サインを設置し、見て感じることのできるエコスクールを目指しました。

Building Data

Location
Koto-ku, Tokyo[ ]
Usage
Grade school
Construction
RC, SRC
Scale
5F
Total Floor Area
7,895.10m2
Year of Completion
7/2018

Award

(日本語) 2019年
(日本語) グッドデザイン賞 小学校

プロジェクトメンバー

谷口 直英

  • 1991年入社
  • 東京第2オフィス設計室所属
  • 建築意匠:基本設計から監理まで担当

谷口 直英

  • 1991年入社
  • 東京第2オフィス設計室所属
  • 建築意匠:基本設計から監理まで担当

学校のあり方が大きく変化している昨今だからこその大胆な提案ですが、都心の狭小地に建つ学校の新たなあり方の一つのかたちを提示できたと思います。テラスは児童の活動がお互いに見える心地よい空間です。

平岡 祐樹

  • 2012年入社
  • 東京第2オフィス設計室所属
  • 建築意匠:基本設計から現場監理まで担当

平岡 祐樹

  • 2012年入社
  • 東京第2オフィス設計室所属
  • 建築意匠:基本設計から現場監理まで担当

初めての現場経験でしたが、先生と児童の目線で考えることを基本に、またワークショップなどを通じてユーザーの意見を取り入れながら、設計時にはわからなかった問題や課題に対応していきました。

蓮池 恒

  • 1997年入社
  • 技術本部 構造設計室所属
  • 建築構造:基本設計から監理まで担当

蓮池 恒

  • 1997年入社
  • 技術本部 構造設計室所属
  • 建築構造:基本設計から監理まで担当

中庭に張り出すテラスと屋上のプールなど構造的な工夫がたくさん要求されました。軽やかに見えつつも、しっかりとした構造を実現するために、数多くのスタディ模型やスケッチなどを用いて提案をブラッシュアップしていきました。

酒向 真考

  • 2014年入社
  • 技術本部 環境設計室所属
  • 基本設計を担当

酒向 真考

  • 2014年入社
  • 技術本部 環境設計室所属
  • 基本設計を担当

環境・電気:新人としていきなり関わったプロジェクトです。大空間やトイレの照明など、初めての経験でしたが、学生時代に学んできたことを活かせるよう、先輩の皆さんに指導を仰ぎながら取り組みました。

Photo:エスエス