Mirai on (日本語) 長崎県立長崎図書館及び大村市立図書館、大村市歴史資料館

誰にでも居場所が見つかるおおらかな図書館

領域のあり方が大きく変容しつつある図書館の一つのプロトタイプとなる提案が、このミライonです。全国で2例目の県と市の合築図書館であることに加え、インターネットで本が買える時代にあって、図書館ならではの本との出会いを演出できる空間の創出に取り組みました。

計画地は多良岳を背景とした大村湾を望む扇状地にあります。自然豊かな環境を中心市街地とつなぎ、まちの流れを引き込む「湾」のような形状を考えました。「湾型のひとつ屋根」が大らかに包み込む空間の下、本と過ごす豊かな場が生まれます。この場所は、1階から4階までつながるひな壇状の「段状ライブラリー」となっており、誰もが思い思いに過ごすことができる空間です。
「ブックカダン(花壇)」と呼ばれるこの閲覧空間は、その名の通り、花々を植え替えるようにキャレルや閲覧室を並べ替えることができます。
そして、各階を横断し独立した動線を持つ管理諸室や閉架書庫のコアは図書館サービスを供給する基地・心臓部と位置づけ、長崎という土地柄にちなみ「ブックドック(船渠)」と名付けました。

「湾型のひとつ屋根」の下、「ブックドック」と「ブックカダン」が融合する空間が、図書館での活動と風景が連続するシームレスな経験を生み出すことを意図しました。

Building Data

Location
Omura-shi, Nagasaki[ ]
Usage
Library, Museum
Co-design
佐藤総合計画、インターメディア
Construction
S
Scale
6F
Total Floor Area
13,506.76m2
Year of Completion
1/2019

Award

(日本語) 2021年
(日本語) BCS賞
(日本語) 2020年
(日本語) グッドデザイン賞
2020年
照明デザイン賞
2020年
照明普及賞

プロジェクトメンバー

渡辺 猛

  • 1990年入社
  • 東京第1オフィス第2設計室所属
  • 建築意匠:プロポーザルから実施設計・監理まで担当

渡辺 猛

  • 1990年入社
  • 東京第1オフィス第2設計室所属
  • 建築意匠:プロポーザルから実施設計・監理まで担当

大村市のこの場所に相応しい形状を提案しました。県・市の合築図書館はこの建物で2例目ですが、現在、我々だけが手掛けている新たなビルディングタイプです。試行錯誤しながらの設計体験はとても貴重なもので、常に気づきを得ながら取り組めました。

牛込 具之

  • 2007年入社
  • 東京第1オフィス第2設計室所属
  • 建築意匠:プロポーザルから実施設計・監理まで担当

牛込 具之

  • 2007年入社
  • 東京第1オフィス第2設計室所属
  • 建築意匠:プロポーザルから実施設計・監理まで担当

ひとつづきのワンルーム空間は、この図書館ならではの独特の空間です。空間を移動しても、活動が分断されることなく、ひとつの空間でひとつづきの経験が立体的に生み出される経験ができるという意味で、」一つのプロトタイプがつくれたと思います。

乾谷 智砂

  • 2011年入社
  • 東京第1オフィス第2設計室所属
  • 建築意匠:プロポーザルを担当

乾谷 智砂

  • 2011年入社
  • 東京第1オフィス第2設計室所属
  • 建築意匠:プロポーザルを担当

大村湾と市街地など、この場所にこうした種類の建物がある意味、そして、県と市が一緒に運営するという図書館のあり方について突き詰めて考え、提案を行いました。提案が形になることのうれしさは設計のだいご味だと思います。

衣袋 歩

  • 2007年入社
  • 技術本部 構造設計室所属
  • 建築構造:プロポーザルから実施設計まで担当

衣袋 歩

  • 2007年入社
  • 技術本部 構造設計室所属
  • 建築構造:プロポーザルから実施設計まで担当

「湾」を思わせるこの建物の特徴は、建物全体を覆う大屋根です。この屋根の曲面を成立させながら、室内にできるだけ柱を出さないようにするために、数々の構造的な提案を行いました。チャレンジングな経験は次の設計にも生きてくると思います。

関根 秀幸

  • 2013年入社
  • 技術本部 環境設計室所属
  • 環境・電気:プロポーザルを担当

関根 秀幸

  • 2013年入社
  • 技術本部 環境設計室所属
  • 環境・電気:プロポーザルを担当

図書館では初めてのZEB Readyを取得するにあたっては、電気設備の側面からできることもたくさんありました。また、閲覧空間においては照明のあり方が非常に重要になります。デザインと技術の両面から関わることができたと思います。