Hyogo Prefectural Tamba Medical Center
医療・保健・福祉・教育機能の統合・再編による「健康」まちづくり拠点の創出
丹波市は、兵庫県中部の山間部に位置する人口約6万5千人の自治体です。少子高齢化が進むこの地域においては、地域の中核病院として「県立柏原病院」と「柏原赤十字病院」が、長らくの間、急性期から回復期、予防に至る幅の広い医療を提供してきました。
2004年、新臨床研修医制度が始まりましたが、両病院もその影響を大きく受けることとなりました。限られた医療資源を効率的に活用し、また地域医療を守るため、両病院の統合・再編を含めた、医療提供体制の再編が必要とされました。
私たちは、丹波圏域の基幹病院となる統合病院(医療センター)と、市の地域包括ケアシステムの中核拠点(ミルネ)、看護師養成所(学校)の機能をもつ、「メディカル・コンプレックス」の設計・監理を担当致しました。
まず、プロジェクトの象徴として、「健康広場」を設けて、施設群とその入口をわかりやすく配置し、利用者動線の起点としました。
医療センターは、急性期から回復期・終末期に至る、幅広い医療が提供できる計画となっています。また、基本方針である「教え学びを病院の文化とし、地域医療に貢献できる医療人を育成する。」に基づき、スキルスラボや研修医・学生のための指導・宿泊諸室といった、教育・研修機能を充実させています。
ミルネでは、一次診療、訪問診療、健診、保健、福祉機能が展開されますが、各部門の使い方や様々な利用者に応じた配慮を行っています。なお、病院と渡り廊下で接続し、迅速な連携がとりやすい計画としています。
学校においては、体育館を健康広場に面して配置し、市民向けの認知症予防やフレイル対策の運動療法等でも活用しやすい配置としました。
災害に強い施設としては、インフラ途絶対策は当然として、敷地の嵩上げによる河川氾濫対策や、復旧の早いと考えられる国道側からを含めた、複数アクセス路の確保を行いました。災害時には、施設群での役割分担がなされ、健康広場を中心とした、迅速な傷病者対応ができる計画となっています。
Building Data
- Official site
- WEB
- Construction
- S, seismic isolation structure
- Scale
- 7F
- Total Floor Area
- 36,511m2
- Year of Completion
- 3/2019
- Note
- Beds: 320
Photo:伸和