高知医療センター
病院における日本初のPFI事業 「患者さんが主人公の病院をめざして」
日本初の病院における本格的PFI事業
県立中央病院と高知市立市民病院を統合した、病院における日本初の本格的PFI事業であり、診療機能の特化等により高品質な医療環境の提供が可能になりました。
ホテル経営でのノウハウを活かした病院づくり
「患者さんが主人公の病院をめざして」という病院の基本理念をもとに、ホテル経営でのノウハウを活かし、患者さんのサービス向上を図った病院が実現されました。
自己治癒力を高める環境づくり
患者さんの自己治癒力を発揮していただく環境を提供するため、全ての利用者にとって気持ちの良い、クオリティの高いアメニティ環境づくりを行いました。
施設概要
- 公式サイト
- WEB
- 用途
- 病院
- 構造
- SRC、免震構造
- 規模
- 地上12階
- 延床面積
- 67,396m2
- 竣工
- 2005年1月
- 備考
- 病床数 648床
受賞歴
- 2007年
- 環境・設備デザイン賞 建築・設備統合デザイン部門 最優秀賞
- 2006年
- 照明普及賞 優秀施設賞
- 2005年
- SDA賞 パブリック部門
- 2005年
- 日経ニューオフィス賞 四国ニューオフィス推進賞(四国経済産業局長賞)
地域に根ざした、患者さんに優しい環境づくり
大地に根ざしたイメージに 地域性への配慮
敷地周辺は緑豊かな里山の雰囲気のまだ残る地域であり、造成により切られた山肌はその再生を待っているかのようでした。外壁にアースカラーである土色を焼き物のタイルで表現し、低層の窓に緑色を採用することで、周辺環境との連続性を大切にし、大地に根ざした建物としました。
患者さんにやさしい病院
障害者の方々との対話を通じ、バリアフリーに対してはきめ細かな配慮を行っています。
運用面での基本方針である体の不自由な方に対して、スタッフが直接声をかけ、手を添えていくということを実践しやすいコミュニケーションスペース、ふれあいの場の充実をめざしました。
環境負荷の低減、経済性に配慮
恵まれた周囲の自然環境を取り込みながら、熱負荷低減を図る日よけのルーバーを設けています。また、コージェネレーションシステムの採用や工業用水の利用により、ランニングコストの低減に努めています。
設計者からの一言
現在、病室はほぼ満床状況で、外来診療は日に700名程度ですが、広いロビー空間により混み合った感じはなく、ホテルのようなゆとりが感じられます。また、「患者さんの苦情は宝物」をモットーに、施設や運用面で改善を行っています。
患者動線とスタッフ動線を分け、ホスピタリティの充実とサービスの充実を図りました。
また、要所にアートを取り入れ、インテリア、サイン、ファニチャーをトータルにまとめ、患者さんの気持ちを和らげるようにしました。
利用者からの一言
「自閉症のお子さんが新しい病棟に移ったら、回復して退院できたんだよ」と驚きまじりのお話が先生よりありました。
地元高知の絵本作家、小笠原さんによる「ホープさんのおはなし」に基づいた病棟のアートで、一人の患者さんの心を開かせることが出来ました。
撮影者:竹中工務店大阪本店写真室古川泰造、島津環境グラフィックス