多摩水道改革推進本部庁舎
「水」のイメージを展開した環境配慮建築多摩水道改革推進本部庁舎
多摩地域の水道事業改革のシンボルとなる建物
市町村委託だった多摩地域の水道事業を、都直営にするための本部庁舎です。まさに、多摩地域水道事業の一大改革です。利用者や働く人々の意識も「改革」されるシンボル性が求められました。
都民のライフラインとしての「水」を管理する庁舎としての安全性
万一の災害時にも機能を失うことなく、都民のライフラインとしての「水」を管理できる様に、信頼性の高い基礎免震構造を採用しました。
「水」のイメージ表現と「水」を使った環境技術
メッシュによる繊細な外装は、水面がそよ風に揺れて美しくキラキラするイメージを想像させます。また、北側外構に設置したドライミストは、清涼感とともにヒートアイランド現象防止にも役に立っています。
「水」のイメージを「線」のデザインに展開
刻々と表情を変える軽快で、美しい外装
太陽の動きとともに刻々と表情を変化させる建物です。太陽の光を浴びてキラキラしたと思えば、雲の流れに合わせて、白くなったり、影になったり。 見る角度や距離によって、思いもよらない美しい表情を見せる繊細で詩的な建物です。
「水」のモチーフである「線」をデザインに展開
水道庁舎として、「水の流れ」をイメージさせる「線」のデザインを多用しました。外装のメッシュをはじめ、エントランスの壁や天井、家具そしてオリジナルデザインのカーペットなど、至る所に水のイメージが散りばめられています。
環境配慮型庁舎の具体化
外周に設置されたメッシュは東西南北の異なる環境に対応するため、それぞれ異なるグラデーションが施され、日本家屋の「すだれ」効果を持っています。また、建物中央の中庭に設置された自動開閉する換気窓やドライミストにより、快適な環境配慮庁舎としています。
設計者からの一言
多摩水道改革推進本部庁舎 とにかく、楽しいプロジェクトでした。完成した建物の美しさや精度はもちろんのこと、都水道局の方々をはじめ施工者のみなさん、このプロジェクトに関わった全ての人達が、一致団結・価値観を共有出来た素晴らしいプロジェクトです。
撮影者:小林研二写真事務所