3月11日の東日本大震災により甚大な被害を受けられた被災者の皆様、ならびに関係者の皆様に心からお見舞い申し上げます。
私たち佐藤総合計画は過去、多くの都市づくりや建築の設計に関わらせていただきました。そして、現在も進行している数多くの仕事があります。そのような役割を担っている私どもの責任と使命は大変に大きく重いものだと認識しております。この現実の事態に際し、被災dの状況を的確に把握し、速やかに対応策を立てることを第一に考えております。同時に、このような天災は、多くの人知によってつくられた都市や建築に投げかけられた大きな課題であると捉え、この課題をいかに解決していくかを考える契機であると考えます。
今回の地震と津波の被害は想像を絶するものがあります。中でも想定を超えた巨大津波の被害には、ただただ驚愕するばかりでした。また、現在も懸命の作業が行われている福島原子力発電所は、原発の安全神話とそれに依拠したエネルギー政策がいかにはかないものであったかを象徴してしまいました。これらの未曾有の光景を前にして、建築に携わるものが常に念頭に置かねばならない都市や建築の安全性がもろくも崩壊してしまったかのような強い衝撃と、屈辱に近い気持ちを味わっております。
しかしながら、今は私ども自身と建築界の無力さを深く嘆いている場合ではありません。これからの進むべき進路をどのように構築すべきかを、狼狽しつつも模索しなくてはなりません。いかにしてこれからの進路を新たに構築していくのか、建築界の姿勢を示すことが不可欠なのです。
このような事態に際して、私どもは初心に帰り、都市や建築のあるべき姿、そして建築界に与えられた課題と進路について改めて考えながら、何よりも「生命と財産を守る」という、私どもの使命を全うするべく努力を惜しまない所存です。
2011年3月16日
株式会社佐藤総合計画
代表取締役社長 細田雅春