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豊後大野市立朝地小学校・中学校
朝地町の新たな集落をつくる
朝地町の地域づくりのシンボルとして
木材は全て地場産を使用し、地域づくりのシンボルとして木造文化を再認識でき、郷土への理解と愛着を深めていけるような木造の暖かな雰囲気を創り出しました。
将来計画にも柔軟に対応可能な計画
「総合的な学習」を考慮し、多目的スペースやテラスを様々な場所に設け、生徒の自主性を育む計画とし、また地域開放にも柔軟に対応可能な分棟配置としています。
敷地形状を生かした明るい学校づくり
すり鉢状の敷地形状を生かし北側斜面に沿って校舎を文棟配置することで、全ての教室が南に向き、自然通風、採光を最大限取り入れた教育環境を確保しています。
明るく暖かみのある学習環境づくり
個々に多目的スペースを持つ教室群構成
小学校、中学校共に個々に多目的スペースを持ち、教室・廊下と連続した見通しのよい空間とすることで、分散した業務ゾーンの設置等多様な利用に対応できる計画としました。
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在来工法によるシンプルな木造架工計画
地場産の杉材を使用することが前提となった計画であるため、教室は全て洋小屋トラスによる最もシンプルな架工計画としました。集成材、金物類は最小限にとどめ、継手、仕口による木の特性を生かした計画としました。
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自然採光・通風による明るく、快適な内部空間
内部空間は自然採光・通風を最大限取り入れた明るく快適な空間づくりを行いました。南面に面した普通教室は妻面をガラスとし、木製ルーバーにより日射制御を行い、2方向を開放することで、山からくる涼風を効果的取り入れることが可能となりました。
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設計者からの一言
朝地小中学校は基本構想から5年の歳月をかけて敷地の選定、造成計画から町有林の伐採・乾燥計画、地域の核となる学校のあり方に至るまで地域における学校づくりという命題に真正面から取り組んだ計画です。
丸太をタガ状に組んだ図書館は、すり鉢状の敷地に分散した校舎群を結ぶシンボルとして、また将来、地域のメディアセンターとして機能することを意図しました。
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見て触って感じるサイン計画
教室サインは地場産の杉材を用いて朝地町の自然をモチーフとした造形サインとし、見て触って判るサインとしました。
また、朝地町出身の彫刻家朝倉文夫先生ゆかりの地の学校として造形の授業での発想のきっかけとなることも意図しました。
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撮影者:アイオイ・プロフォート、ジーエータップ