津田塾大学7号館
歴史あるキャンパスの魅力を継承する
クワドラングル型に発展するキャンパス計画の布石
7号館は、佐藤功一設計のハーツホン・ホールを中心に発展してきたキャンパスの北に位置しています。今後もクワドラングル(四角形)型を基調に発展を遂げるキャンパス構成の布石として配置を行いました。
武蔵野の森に溶け込む
配置にあたっては、コナラなどの既存樹木をできるだけ残して、緑の環境の中に建物が溶け込むような計画としました。教室やラウンジなどの大きな開口部からは、間近に迫る鮮やかな緑の広がりを感じられます。
ハーツホン・スタイルの外観
外観デザインは、柱型・梁型と開口で構成されるシンプルでリズミカルなものとしています。また、キャンパスの歴史の連続性を表現するため、窓の形状はハーツホン・ホールの窓の縦横比を踏襲したものとしました。
キャンパスコミュニケーションに向けた環境づくり
豊かな緑と共生する学びの環境づくり
校舎は西向きのため、外部の負荷を大きく受ける環境ですが、直近に迫る緑のカーテンで直射光を遮り、快適な環境をつくりだしています。設備の面ではエアフロー型二重サッシを設置して負荷への対応を行っています。
コミュニケーションを発展させる空間づくり
ハーツホン・ホールからオープンテラス、大学ホールといった学生が集う場所に7号館のラウンジが加わりました。にぎわい空間が連続することによって、キャンパス内に新たなコミュニケーションが誘発されることを期待しています。
充実した学びの場所づくり
中島記念ホールは講義やイベントに120~195席の利用ができるホールで、全面開口可能な西面から光と緑があふれる快適な空間です。
教室・演習室は、少人数のゼミから40人の授業までさまざまな講義に対応できる充実した環境です。
設計者からの一言
歴史あるキャンパスの中の新しい空間として、学生に人気の場所となっています。特に、螺旋階段でつながった1階ラウンジと2階ミーティングルームは、キャンパスコミュニケーションの中心です。イベントのほか、お昼休みや休憩時間を過ごす学生でにぎわいます。また、ガラスボックスのミーティングルームからは色鮮やかな緑を楽しむことができます。
撮影者:篠澤建築写真事務所