おおぶ文化交流の杜 allobu
市民が主役のおおぶの杜
本プロジェクトは、図書館、ホール、レストランなどをあわせ持つ複合文化施設を整備するPFI事業です。事業方式はBTO方式で、SPCにて15年間の運営および維持管理業務を行います。
施設計画のコンセプトとして、「市民の活動がよく見え、参加したくなる、市民が主役のおおぶの杜」を掲げ、かつて里山の雑木林であった土地の記憶を継承し、地域のシンボルとしての「杜」づくりを目指しました。
さらに、その杜の中に、誰もが気軽に立ち寄れる散策路「ふれあいの路」をつくり、施設内外に渡ってさまざまな活動や情報に出会うことができる構成としました。大きく張り出した庇やデッキテラス、自然光を導入したホールなど、どこにいても地域の自然を感じることのできる心地よい場を創出しています。
※BTO(Build Transfer and Operate)方式
民間事業者が施設を建設し、施設完成直後に公共に所有権を移転し、民間事業者が維持管理及び運営を行う方式。
施設概要
- 公式サイト
- WEB
- 用途
- 図書館、 多目的ホール
- 構造
- RC、S
- 規模
- 地上3階、地下1階
- 延床面積
- 13,776m2
- 竣工
- 2014年3月
- 備考
- 蔵書数 400,000冊 客席数 315席
木漏れ日の「杜」と「路」の空間
「杜」の空間
かつて敷地周辺はなだらかな知多丘陵の雑木林であり、里山の雑木林の空間イメージを新たな「杜」として創出しようと考えました。これは外構のみにとどまらず、建物内も含めた敷地全体の空間イメージとなっています。
「路」の空間
「杜」の中を抜ける「路」をつくりました。
「路」は、神社の参道のように木漏れ日の中で曲がりくねった変化のある空間です。そして、「路」の両側には、出店のように多様な活動空間が配置されています。
木漏れ日のイメージ
「路」では外部のように陰影のはっきりした直接光、ホールや図書館ではやわらかく拡散した自然光を建物内に導入し、施設内にいても地域の自然を感じることのできる木漏れ日の空間を創出しています。
設計者からの一言
本プロジェクトでは、場所ごとに光の質を変え、影の織りなす自然の細やかな変化を楽しむことのできる、心地よい空間を意図しています。外装・内装には、木や土をイメージしたアースカラーの素材をふんだんに採用しています。
おおぶ文化交流の杜 allobuの特徴
「杜」の創出にあたり、雨天後に雨水を流して自然浸透させる「レインガーデン」、緑を見下ろしながら食事もできる「木もれびの丘」、市民の皆様に植樹イベントに参加頂いた「みんなの杜」など、多様な外部空間を計画しています。
撮影者:齋藤さだむ