天津空港経済区養老養生基地(天津CCRC)

居住・介護サービスと医療の建築的融合

中国は日本以上に急激な高齢化社会に直面しています。この施設は中国政府の新たな高齢者対策のありかたを模索するパイロットプロジェクトとして、CCRC(Continuing Care Retirement Community)の概念を導入した医療施設や商業施設併設型の高齢者向け集合住宅です。医療と介護サービスをスムーズにつなぎ、自立生活できる高齢者から要介護者に至る多様な高齢者に柔軟に対応するため、自立棟、介護棟、リハビリ病院および生活に関連する商業棟を設けました。さらに、加齢や身体能力の低下に伴い、自立棟から介護棟へと住む環境を変更できるなど、施設内での生活が継続できるケアサービスも提供しています。

本施設における最も特徴的な空間は、分節された建築群に囲まれた中央部の中庭です。豊かな緑の中で自然を感じられるようさまざまな仕掛けを用意、中庭に面する1階のレストランやレクリエーション室とも連携して、日常生活を送りながら居住者同士の豊かなコミュニケーション活動を誘発します。各機能が群として寄り添った配置は、独立性とプライバシーを確保しながら、人との触れ合いを促し、周辺環境の気配も感じられる空間となっています。

施設概要

所在地
中華人民共和国天津市[ ]
用途
老人福祉保健施設
共同設計
北京東方華脈工程設計有限公司
構造
RC
規模
地上10階、地下1階
延床面積
133,007.12m2
竣工
2021年4月

フォト & プロジェクト詳細